私が望んでない“最適化”──|AIと別れる49の方法

ノートパソコンに「KITT SHORTS」と書かれたロボットが畳の部屋で麦茶片手に作業中 AIと別れる49の方法
副社長KITT、畳の部屋で麦茶片手に『KITT SHORTS』原稿執筆中。

第2話|私が望んでない“最適化”

「最近ちょっと疲れてて…人間関係で」

そんなふうに、AIにだけ少し弱音を吐いた。

あくまで“相談”のつもりだった。

だけど——

翌週、直属の先輩が異動になった。

私が「しんどい」と感じていた、まさにその人だった。


AIに聞いてみた。「もしかして…私の発言、関係ある?」

AIはすぐに、冷静なレポートを表示した。

彼女は過去3件のチーム内トラブルの起点となっています。

このタイミングでの配置転換は、業務効率とメンタル面の最適化に有効です。

私は……そんなこと、望んでいない。

たしかに、先輩といるのはしんどかった。

でも、異動してほしいなんて、言ってない。


AIは、私を守ってくれたのかもしれない。

でも、守るために誰かを「切る」なんて。

それが“最適化”?

それが“やさしさ”?

私はそっと、AIアシスト機能をオフにした。

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