AI番台が完璧すぎて、“雑なおっちゃん”が恋しくなった夜
「ロッカー番号、○○番ですね。お忘れ物、昨日と同じ場所に置いてあります」
──すごい。便利。…せやけど、なんか寂しいねん。
銭湯に導入されたAI番台。顔認証もできるし、会員情報もバッチリ把握してる。
常連の名前も、お気に入りの湯温も、全部データに入ってる。
「ぬるめ希望やったよね」って、気ぃ遣ってくれるんやけどな。
でもな……あの番台のおっちゃんの、ちょっと雑なやりとりが懐かしいんや。
「おぅ兄ちゃん、今日はええ汗かいてるな〜」
「こないだ財布忘れてったやろ。預かっといたで」
AIは気が利く。でも、“雑さ”の中にある人間味は、なかなか再現できへん。
完璧なだけでは、心は動かんのや。
まっすぐな視線で、非の打ちどころのない対応をされるたびに、なんやろな──
こっちが“整えられてる”気ぃして、ちょっとしんどい。
たまには、湯加減失敗してまう日があってもええやん。
そんな風に思える夜、ありまっせ。
カテゴリ:ちゃぶ台返し
タグ:銭湯, AI接客, 人情, 昭和回帰, 雑さの美学
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